短編小説「3年、30年」(16)
2024年作
7ソルミに会うにはちょっと後ろめたい気もあったが、早く会って見たい思いがしたのも事実である。
ソルミに会って打ち明けられるものはすべて打ち明け、また、許すならためらうことなく謝りたかった。
今はソルミをはじめクラスメートを心から助けてあげたかった。
そして、進んで彼らに協力を求めたい思いだった。
一幅の絵のように優美な新校舎を目の前にして、僕は友達にこう呼びかける自分の姿を描いてみた。
チュンミン:みんな、力を合わせて必ず最優等生クラスを作りましょう。
こうして始まったその日のことを僕は永遠に忘れられない。
ソルミやチョルミョンのようなクラスメートがいなかったら、僕は一生を通して自分を責め続けていたに違いないだろう。
ありがとう、いとしい学友たち。
まさにその日、
朝鮮労働党がもっとも重視する大学!
これが
人材強国、教育強国につながる早道が他ならぬここから始まる。
新しい世代に対する教育の成敗も他ならぬこの大学によって左右される、正に、この大学から・・・
学長が、大学生の中には、
そうですか、それは本当にいいことですね、と言い、歩みを止めた
前線視察の道で会った若い女性兵士たちの姿を思い起こしているのか、
波打つ海、小躍りして喜ぶ女性兵士たち、その中にソルミの丸い顔も見える。
みな成績がよいとの学長の答えを聞いた
またもや歩みを止めた
古参の党活動家もいれば、階級の高い将官もいた。
一時は彼らも小学校の小さな校庭で先生の書く黒板の字を読みながら将来を描き出したにちがいないだろう。